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「コンクリートの部屋なら虫は入らないと思っていたのに」。打ちっぱなしの部屋でゴキブリを見て、そう戸惑う方は少なくありません。
コンクリートそのものはゴキブリが出にくい素材です。出るかどうかを分けるのは、結露による湿気と配管やサッシまわりのすき間です。
この記事では、害虫駆除レスキューセンターで害虫駆除を行う現場責任者が、コンクリート打ちっぱなしの家でのゴキブリの危険性について以下を解説します。
- 結露がゴキブリを呼び寄せる理由
- 配管の貫通部などのゴキブリ侵入口
- 土間や露出配管のリスク
- はがせる資材とベイト剤での対策
- 管理会社への伝え方
コンクリート打ちっぱなしの部屋はゴキブリが出やすい?

コンクリート打ちっぱなしの部屋は、素材だけを見ればゴキブリが出にくいつくりです。ただし、結露で湿気がこもる壁があり、配管やサッシまわりにすき間が残っているとゴキブリは居つきやすくなります。
出やすいかどうかは、打ちっぱなしという仕上げではなく、部屋ごとの湿気とすき間の状態で決まります。
コンクリートの壁そのものがゴキブリを寄せつけにくい理由
コンクリートの壁はゴキブリにとって住みにくい素材です。コンクリートはエサになりません。壁の中に潜り込める空洞もほとんどありません。
鉄筋コンクリート造は、壁と床と天井をコンクリートで一体につくります。ほかの構造との違いは、ALC造とRC造でゴキブリの出やすさを比べた解説にまとめています。
それでも、コンクリートだから大丈夫という考えは半分だけ正解だと私は考えています。壁の面そのものは強くても、配管やサッシのように別の素材とつながる部分には、どうしてもすき間が生まれるからです。
築年数が浅い部屋でも事情は同じです。新築や築浅の部屋でもゴキブリが出る理由も根っこは共通しています。
結露しやすい壁がある部屋でゴキブリが出やすくなる仕組み
打ちっぱなしの部屋でゴキブリが出やすくなる最大の要因は壁に起きる結露です。結露の水はゴキブリの水場になります。
断熱材を室内側に施工した建物では、室内側のコンクリート表面の温度が低く、外気温度に近くなります。そのため結露しやすく、カビの原因になります。
また、梁や柱の部分では断熱材が途切れ、そこでも結露が起きやすいとされています。
また、断熱材の厚みが足りない場合は、冬の暖房時に室内の壁の表面に結露が起こることがあります。外気に面した壁、梁の下、窓のまわりは、多くの場合ほかの面より冷えやすい場所です。
結露した壁と家具のあいだは、このうち暗さと湿気とせまさの3つが同時にそろう場所です。現場で家具を壁から離すと、黒カビの帯に沿ってフンの跡が点々と残っていることがよくあります。
結露とカビの対策を始めたことで、ゴキブリの出方まで落ち着いていった部屋を、これまで何度も見てきました。
土間や露出配管などデザイナーズ物件特有のつくりでゴキブリが出やすくなる場合
デザイナーズ物件のつくりそのものが悪いわけではありません。ただ、デザインとして魅力的なつくりが、湿気と通り道の面ではゴキブリに有利に働くことがあります。
代表的なつくりと、出やすくなる理由は次のとおりです。
| デザイナーズ物件のつくり | ゴキブリが出やすくなる理由 | 対策の方向 |
|---|---|---|
| 土間や大きな窓 | 土間の床や窓辺が冷えて結露し、水場ができる | 結露の拭き取りと除湿 |
| 露出配管やエアコン配管 | 壁沿いの配管がゴキブリの移動経路になる | 配管まわりのすき間の点検 |
| 1階と半地下の部屋、ドライエリア、植栽 | 地面からの湿気がこもり、屋外のゴキブリとの距離も近い | 窓まわりと給気口の点検、落ち葉の片づけ |
壁や天井を這う露出配管は、まさにゴキブリが伝い歩きしやすいへりです。エアコンの配管やドレンホース(結露水を外に流す管)が外とつながっている場合は、エアコンのドレンホースや配管穴からゴキブリが入る仕組みも確認してください。
ドライエリアは、地下や半地下の部屋に光と風を入れるために掘られた、建物まわりの空間のことです。雨水と落ち葉がたまりやすく、地面に近い分だけ湿気も抜けにくくなります。
植栽のある1階の部屋も、屋外にいるゴキブリとの距離が近い点では同じ条件です。
コンクリート打ちっぱなしの部屋でゴキブリの侵入口になりやすい5つの場所は?

外から入ってくるゴキブリは、コンクリートの面ではなく、素材と素材がつながる切れ目から入ってきます。打ちっぱなしの部屋で特に点検したいのは、次の5か所です。
- 配管の貫通部
- 窓サッシと玄関ドアのまわり
- 換気口と給気口
- コンクリートのひび割れと打継ぎ部
- キッチンと浴室の排水口
以下で、場所ごとの見方を解説します。住まい全体の侵入経路と塞ぎ方は、ゴキブリの侵入経路と住居タイプ別の塞ぎ方で一覧にしています。
配管が壁や床を貫通する部分のすき間
打ちっぱなしの部屋で調査に入るとき、私が最初に確認するのは水道管や排水管がコンクリートの壁や床を通り抜けている貫通部です。点検する場所は次の4か所です。
- キッチンのシンク下
- 洗面台の下
- 洗濯機置き場の排水口まわり
- トイレの給水管の根元
コンクリートは、後から簡単に穴を広げたり埋めたりできません。そのため、配管より大きめの穴を開けておき、すき間をパテやシーリング(すき間を埋める充填材)で埋めるのが一般的です。
このパテは、年数がたつと痩せたり欠けたりします。集合住宅では、貫通部の奥が配管スペースを通じてほかの住戸とつながっていることもあります。
小さなすき間でも、建物の中を移動するゴキブリにとっては十分な通り道です。
懐中電灯で照らしながら、配管の根元に光が抜けるすき間がないかを見てください。黒い粒のようなフンが落ちていないかも確かめます。
窓サッシや玄関ドアなど建具まわりのすき間
大きな窓は打ちっぱなし物件の魅力ですが、開口部が大きい分、すき間の総延長も長くなります。注意したい箇所は次の4つです。
- サッシとコンクリートの境目を埋めたシーリングのひびや剥がれ
- 窓を閉めたときに密着させる戸当たりゴムの縮みや硬化
- 雨水を外に逃がすサッシのレールの水抜き穴
- 玄関ドアの下のすき間
- 郵便受け
水抜き穴は、サッシの下の枠にある小さな穴です。雨水を逃がすための穴なので、ふさぐことはできません。
一方で、外とつながっているため、防虫キャップを付けていない物件では侵入口の候補になります。
すき間の見つけ方は簡単です。昼間に室内の照明を消して、窓や玄関ドアのまわりから外の光が漏れていないかを確かめます。
特に築年数が経った物件では、サッシの角の部分からシーリングが傷み始めることが多くあります。
換気口と給気口のフィルターの破れや外れ
壁に付いている丸い給気口や換気口は、外の空気を取り込むために、外とじかにつながっている穴です。多くの給気口には防虫網やフィルターが付いています。
ただし、網の目が粗かったり、汚れたフィルターを外したままにしていたりするとゴキブリが通れるすき間が残ります。
打ちっぱなしの部屋は結露しやすいため、給気口を閉めたままにしている方も少なくありません。しかし、閉め切ると湿気がこもり、結露はかえって増えます。
給気口は開けたうえで、フィルターで虫を防ぐのが基本です。
屋外側の換気フードが壊れている場合は、借主が直す部分ではありません。管理会社に連絡してください。
コンクリートのひび割れと打継ぎ部のすき間
築年数が経ったコンクリートには、ひび割れが出ることがあります。また、コンクリートを何回かに分けて流し込んだ継ぎ目を打継ぎと呼び、この部分も年数とともにすき間ができやすくなります。
窓や出入口の角から斜めに走るひびも、多くの物件で見られます。
髪の毛ほどの細いひびが、すぐにゴキブリの侵入口になるわけではありません。気にしたいのは、ひびの奥に影が見えるほど幅がある場合と、ひびのまわりに水のしみが出ている場合です。
こうしたひびは、外の湿気や雨水が入り込んでいるサインでもあり、結露やカビの悪化にもつながります。
ひび割れは建物の構造に関わる部分です。賃貸の部屋では、自分で埋めずに管理会社へ報告してください。
侵入口になっているのか判断に迷うときは、写真で専門家に見てもらう方法もあります。害虫駆除レスキューセンターでは、LINEで写真を送って相談を受け付けています。
キッチンと浴室の排水口
キッチンと浴室の排水口は、下水につながる通り道です。排水管の途中には、封水と呼ばれる水がたまる部分があります。
封水は、下水からの臭いや虫を止めるふたの役割をしています。長く家を空けたり、使わない洗面台を放置したりすると封水が蒸発し、ゴキブリが上がってくることがあります。
打ちっぱなしの物件では、配管を見せるデザインのために排水管が露出していることもあります。その場合は、排水管が床に入る根元のすき間もあわせて確認してください。
封水の仕組みと点検の方法は、排水口からゴキブリが上がってくる仕組みと封水の点検方法で詳しく解説しています。
賃貸のコンクリート打ちっぱなしでも原状回復できるゴキブリ対策は?

国土交通省のガイドラインでは、原状回復とは、借主の故意・過失や通常の使い方を超える使用で生じた傷みを元に戻すことだと定義されています。原状回復できる範囲で取り組みたい対策は次の4つです。
- はがせる資材ですき間をふさぐ
- 換気口と給気口に防虫フィルターを付ける
- ベイト剤を置く場所を選ぶ
- 除湿と換気を習慣にする
以下で、それぞれの進め方と注意点を解説します。
はがせる資材で配管まわりとサッシのすき間をふさぐ
打ちっぱなしのコンクリートの表面には、細かな凹凸と水を吸う性質があります。そのため、テープを直接貼ると粘着剤が残ったり、はがしたあとにシミになったりしがちです。
すき間をふさぐときは、次の手順で進めると跡が残りにくくなります。
- 貼る場所のホコリと結露の水分を拭き取る
- 目立たない場所で、マスキングテープを貼ってはがす試しをする
- マスキングテープを下貼りする
- その上にすき間テープかアルミテープを重ねる
配管の貫通部には、固まらない粘土状のパテが向いています。玄関ドアの下には、ドア本体に貼るタイプのすき間テープを選ぶとコンクリートに触れずに済みます。
サッシの水抜き穴は、テープでふさいではいけません。水抜き穴には、専用の防虫キャップを差し込む方法を選んでください。
換気口と給気口に防虫フィルターを付ける
給気口に防虫フィルターを付けるときは、虫を防ぐことと換気を止めないことの両立が大切です。目の細かすぎるフィルターはすぐに目詰まりし、換気量が落ちます。
換気が落ちれば湿気がこもり、結露とカビがかえって増えてしまいます。
フィルター選びと取り付けでは、次の点を確認してください。
- 給気口の型番に合う交換用フィルターを選ぶ
- 両面テープで壁に貼らず、カバーの内側に挟む
- 汚れが目立ってきたら早めに交換する
ただし、レンジフードは製品によって取り付けできるフィルターが決まっています。取扱説明書で確認してから選んでください。
打ちっぱなしの部屋でベイト剤を置く
ベイト剤(毒餌)は、置く場所で効き目が大きく変わります。打ちっぱなしの部屋で置き場所の候補になるのは、次の5か所です。
- 外気に面した壁際の家具の裏
- 冷蔵庫の裏と下
- キッチン下と洗面台下の配管の根元
- 土間の隅
- 露出配管が床や壁に入る根元
ただし、結露で濡れる場所にじかに置くと、ベイト剤が湿って傷みます。壁から少し離した乾いた床に置くのがコツです。
子どもやペットのいる家庭では、手の届かない家具の裏を優先してください。
除湿と換気で結露とゴキブリを同時に減らす
打ちっぱなしの部屋では、結露対策がそのままゴキブリ対策になります。毎日の習慣にしたいのは次の4つです。
- 湿度計を置いて、季節ごとの湿度の変化を見る
- 外気に面した壁から、家具をこぶし1つ分ほど離す
- 冬の朝は窓と壁の結露を拭き取る
- 夏は夜のうちに窓を開けて熱と湿気を逃がす
1階の部屋、北向きの部屋、ドライエリアに面した部屋のいずれかなら、除湿機を常に使うことを私はすすめています。一方、上階で日当たりのよい部屋なら、換気と結露の拭き取りだけで十分なこともあります。
カビが出た場合は、早めに拭き取ってください。部屋全体の対策を見直したい方は、ゴキブリ対策の基本を総合的にまとめた解説も参考にしてください。
コンクリート打ちっぱなしのゴキブリ問題で管理会社や大家に相談すべきケースは?

打ちっぱなし特有の不具合には、コンクリートのひび割れ、サッシの劣化、建物のつくりに由来する結露があります。こうした不具合がゴキブリの原因になっている場合、修繕は貸主側の対応になりうる問題です。
共用部の配管スペースなど、建物全体に関わる範囲はマンションでゴキブリが出る侵入経路と管理会社への相談範囲で解説しています。
ひび割れやサッシの劣化など貸主側の対応になりうる不具合
民法606条は、貸主は物件を使うために必要な修繕をする義務を負うと定めています。ただし、借主の責任で修繕が必要になった場合は除かれます。
建物の傷みが原因のすき間は、この修繕の対象になりうる部分です。打ちっぱなしの部屋で、貸主側の対応になりうる主な不具合は次のとおりです。
- コンクリートのひび割れや打継ぎ部のすき間
- サッシまわりのシーリングの劣化
- 配管の貫通部を埋めたパテの欠け
- 屋外側の換気フードの破損
- 建物のつくりに由来する結露
ただし、修繕の範囲は契約の内容と物件の状況によって変わります。どこまで対応してもらえるかは管理会社に確認してください。
管理会社にゴキブリと結露の状況を伝えるときの記録の残し方
民法615条は、借りている物件に修繕が必要なとき、借主は遅滞なく貸主に知らせる義務があると定めています。国土交通省のガイドラインでも、結露を放置して広がったカビやシミは、借主の負担になりうる例として挙げられています。
対象になるのは、借主が貸主に知らせず、拭き取るなどの手入れも怠って、壁などを傷めた場合です。早めに知らせて記録を残すことが、退去時の負担を避けることにもつながります。
私は3枚写真セットで残すことをすすめています。1枚目はゴキブリが出た場所、2枚目は結露やひびの近くからの写真、3枚目は部屋のどこかがわかる引きの写真です。
伝えるときは、「ゴキブリを何とかしてほしい」より「キッチン下の配管まわりにすき間があるので見てほしい」と、場所を具体的に伝えるのがコツです。
自力の対策でゴキブリが止まらないときに駆除業者へ相談する目安
自分でできる対策を一通り試しても出続ける場合は、駆除業者に相談するタイミングです。目安になるのは、次のような状況です。
- 幼虫を繰り返し見かける
- すき間をふさいでも出る頻度が変わらない
- 侵入口がどこか見当がつかない
- 壁の中や構造部からの侵入が疑われる
賃貸の部屋では、業者を呼ぶ前に管理会社へ確認してください。貸主側で業者を手配してもらえる場合もあります。
自分で依頼するときも、了承を得ておけば施工内容をめぐるトラブルを防げます。業者を選ぶときは、見積もりの内訳と追加費用の有無、作業後の説明があるかを確かめておくと安心です。
コンクリート打ちっぱなし物件の内見でゴキブリが出にくい部屋を見分けるポイントは?
打ちっぱなし物件への引っ越しを考えているなら、内見でデザインだけでなく、湿気とすき間の状態も見ておきたいところです。チェックしたいポイントは次の6つです。
- 北側の壁と窓まわりの黒カビの跡
- 部屋に入ったときのカビ臭さ
- サッシまわりのシーリングのひびや欠け
- キッチン下と洗面台下の配管まわりの埋め方
- 窓の外の植栽とゴミ置き場との距離
- 給気口のフィルターの有無
配管の根元のすき間がきちんと埋められているかは、扉の中を見なければわかりません。1階や半地下の部屋なら、ドライエリアに落ち葉や水がたまっていないかもあわせて確認しておくと安心です。
まとめ
今夜からできるのは、キッチン下と洗面台下の扉を開けて、配管の根元を懐中電灯で照らしてみることです。
すき間やフンが見つかったら、写真を撮ってから、はがせる資材で仮にふさいでおきましょう。
あわせて、湿度計を置き、外気に面した壁から家具を少し離してください。
結露とカビが減れば、ゴキブリが居つきにくい部屋に近づいていきます。
それでも出続けるときや、侵入口が見つからないときは、害虫駆除レスキューセンターに相談してください。
LINEで写真を送っていただければ状況を確認できますし、出張見積は無料です。
よくある質問
コンクリート打ちっぱなしの部屋はゴキブリが出やすいのですか?
夜はクロゴキブリが活動する時間で、ベランダの洗濯物が足場と隠れ場所になるためです。主な理由は次の3つです。
- 濡れた布に湿り気がある
- 重なった布が暗い隙間になる
- 物干し竿が壁から洗濯物への通り道になる
高層階でも、配管スペースや隣のベランダを通ってくることがあります。
打ちっぱなしの部屋の結露とゴキブリは関係があるのですか?
深く関係しています。ゴキブリが好む環境と、結露が生む環境が重なるからです。
- 結露の水がゴキブリの水場になる
- 結露から広がったカビの陰が隠れ場所になる
- 冬は暖房の暖かさと結露の水が同じ部屋にそろう
除湿と結露の拭き取りは、そのままゴキブリ対策になります。
打ちっぱなしの部屋ではどこからゴキブリが入ってくるのですか?
コンクリートの面ではなく、素材の切れ目から入ってきます。点検したい場所は次の5か所です。
- 配管が壁や床を通る貫通部
- 窓サッシと玄関ドアのまわり
- 換気口と給気口
- コンクリートのひび割れと打継ぎ部
- キッチンと浴室の排水口
賃貸の打ちっぱなし物件で駆除業者を呼ぶ前に確認しておくことは何ですか?
まず管理会社に、貸主側で業者を手配するかどうかを確認してください。自分で依頼する場合は、壁を傷めない施工か、見積金額以外の費用がかからないかを業者に確かめておくと安心です。害虫駆除レスキューセンターなら、LINEで写真を送って状況を相談できます。出張見積は無料で、見積金額以外の費用はかかりません。
