人工芝でゴキブリを目撃してしまったら「人工芝は虫が湧かないと聞いたのになぜ?」と疑問でいっぱいになることでしょう。

人工芝自体がゴキブリの餌になることはありません。しかし、ゴキブリが発生するのには、人工芝が作り出してしまった別の原因が必ずあります。

しかし、その原因を知らずに市販の薬剤を使うのは危険です。薬剤が家族やペットにとって危険な状況になることさえあります。

この記事では、人工芝でゴキブリが発生する本当の原因市販されている薬剤の具体的な種類と効果ペットや子供に与える安全性リスクについて詳しく解説します。

きれいな庭を取り戻すため、この記事を参考にしてください。

人工芝のゴキブリ対策は施工が重要!失敗しない予防法と対処法を徹底解説

人工芝なのにゴキブリが発生する原因は?

人工芝なのにゴキブリが発生する原因は?

人工芝の素材自体はゴキブリの餌にはなりません。ゴキブリが発生した原因は、人工芝を敷いたことでゴキブリにとって住みやすい環境が生まれてしまったことにあります。

その環境とは、以下の3つです。

  • 湿気
  • 隠れ家

それぞれの原因を詳しく解説します。

水はけが悪い・施工不良による湿気

ゴキブリやムカデといった害虫は、ジメジメした湿気の多い場所を好みます。

雨が降った後に人工芝の下に水が溜まりやすい、または常に湿った状態になっているならゴキブリにとって最高の住処となります。

水はけが悪くなる原因は以下が考えられます。

  • DIYでの施工時に下地(地面)の勾配づくりが甘かった
  • 人工芝の排水穴がホコリで詰まっている
  • 人工芝自体の排水性能が低い

落ち葉や食べカスなど餌の存在

ゴキブリは雑食性で、人が餌と思わないものまで食べ尽くします。例えば以下のものがあります。

  • 庭でのバーベキューでこぼれた食べカス、ジュース
  • ペットフードの残り
  • 髪の毛、フケ、ホコリ
  • 放置されて腐敗した落ち葉や枯れ葉

ゴキブリにとっては餌になります。餌なんて何もないと思っていても、ゴキブリから見れば人工芝の上は食料の宝庫になっているかもしれません。

プランター下や防草シートの隙間などの隠れ家

ゴキブリは明るい場所を嫌い、暗くて狭く、湿った隙間を好んで隠れ家にします。

人工芝の周辺で、注意すべき箇所が鉢植え・プランターの底です。プランターの底は、適度な湿気と暗い隙間があり、ゴキブリにとっては快適空間となります。

DIYでの施工が甘く、人工芝のつなぎ目や端がめくれていたり、その下の防草シートが破れていたりするとゴキブリはその隙間に潜り込み巣を作ります。

人工芝のゴキブリ対策に使える市販の薬剤の種類は?

人工芝のゴキブリ対策に使える市販の薬剤の種類は?

原因が分かったところで、ゴキブリ対策にはどの薬剤を使えばいいのかが気になることでしょう。

ゴキブリ対策に使える市販の薬剤について詳しく解説します。

ベイト剤(毒餌)で巣ごと駆除

ベイト剤(毒餌タイプ)は、ゴキブリが好む餌に殺虫成分を混ぜたものです。これを食べたゴキブリが巣に帰り、そのゴキブリのフンや死骸を食べた他のゴキブリも連鎖的に駆除できる巣ごと駆除がメリットです。

アース製薬のブラックキャップ屋外用や、KINCHOのコンバット玄関・ベランダ用など屋外使用に特化した耐水性・耐風性のある製品がおすすめです。

屋外用は雨風に強い容器設計になっており、ゴキブリの侵入経路になりそうな場所(エアコン室外機の裏、窓の下など)に設置します。効果の持続性も高いのが特徴です。

直接噴射スプレー

スプレー剤には大きく分けて2種類あります。一つはゴキジェットプロに代表される、遭遇したゴキブリに直接噴射して仕留めるタイプです。

有効成分イミプロトリン(ピレスロイド系)などの即効性で、目の前のゴキブリを素早くノックダウンさせます。

空間噴射プレー

もう一つはゴキブリムエンダーのような空間噴射タイプです。部屋(または物置など)の空間に薬剤を噴射し、人工芝の下や物陰に隠れたゴキブリにも薬剤を届けることを期待するものです。

忌避剤(ハーブ系)

殺すのではなく寄せ付けないのが忌避剤です。ゴキブリが嫌うミント(ハッカ)などのハーブの香りをスプレーなどで設置します。

冷却スプレー

殺虫成分を使いたくない場合、冷却式スプレーという選択肢もあります。これは薬剤ではなく、マイナスの冷気でゴキブリを瞬間的に凍らせて動きを止め、窒息・凍死させるものです。

最新トレンドは人工芝自体にゴキブリ対策機能を持たせる

最新トレンドは人工芝自体にゴキブリ対策機能を持たせる

最新のゴキブリ対策は発生したゴキブリを薬剤で駆除すること以上に、そもそもゴキブリが住みにくい環境を作るためのアイテム、人工芝そのものの高機能化がトレンドとなっています。

防草シート一体型(防草人工芝)

トレンドは防草シートがあらかじめ裏面に一体化された人工芝です。ゴキブリの発生原因となる雑草を根本から長期間防ぐため、ゴキブリ対策として最も有効なアイテムの一つです。

代表的な製品として、アイリスオーヤマの防草人工芝シリーズなどがあります。

抗菌・静電気防止タイプ

抗菌機能でカビや細菌の繁殖を抑えたり、静電気防止機能でホコリの付着を抑えたりする高機能な人工芝も最新のトレンドです。

これらはクローバーターフリアリーターフといった専門メーカーの製品に見られます。

高耐熱・高耐久タイプ

新素材としてナイロンを使用し、業界最高クラスの180℃まで耐える高耐熱性の人工芝も登場しています。

例えば、クローバーターフのTHENYLONは、従来の人工芝が苦手としていた反射熱による溶けや劣化を防ぎます。直接的な害虫対策機能ではありませんが、人工芝の劣化による隙間や隠れ家ができるのを防ぎ、長期的なゴキブリの発生予防に貢献します。

人工芝のゴキブリ対策で使用する薬剤はペットや子供にとって安全?

人工芝のゴキブリ対策で使用する薬剤はペットや子供にとって安全?

薬剤は便利さと引き換えにリスクを伴います。体が小さく地面(人工芝)に顔を近づけたり、何でも舐めてしまったりするペットや小さなお子様は、そのリスクを受けてしまいます。

ゴキブリ対策で使用する薬剤のリスクについて詳しく解説します。

ハッカ油は猫に有毒な危険性

殺虫成分は怖いから、安全なハーブ(ハッカ油)で対策しようと思われるかもしれません。しかし、危険な状況を招く可能性があります。

多くのサイトで安全なゴキブリ対策としてハッカ油が推奨されています。しかし、猫はハッカ油の成分を体内で分解するための酵素を持っていません

猫がハッカ油の成分を吸い込んだり舐めたりすると、毒素が体内に蓄積してしまいます。最悪の場合、肝機能障害などの中毒症状を引き起こす可能性が指摘されています。

犬は猫よりは分解能力がありますが、濃い原液は同様に危険です。自然由来が安全という思い込みはペットを危険にさらす可能性があるのです。

スプレー剤(ピレスロイド系)

スプレー剤に含まれるピレスロイド系成分は、哺乳類には安全性が高いとされています。

しかし、アレルギー体質の人、喘息の方、妊婦さんは薬剤の吸入に特に注意が必要です。当然、ペットがその霧を吸い込んだり、薬剤が付着した人工芝を舐めたりすれば、アレルギー反応を起こす可能性はゼロではありません。

ベイト剤(毒餌)は誤飲に注意

ベイト剤のリスクは、ペットや子供による誤飲です。

特に好奇心旺盛な犬や赤ちゃんは、黒い容器をおもちゃと間違えて噛んだり、中身を食べてしまったりする危険があります。ホウ酸団子タイプの場合、誤飲すると脱水症状などを引き起こす恐れがあります。

薬剤を安全に使用するための設置場所と注意点

リスクを理解した上で薬剤を使いたい場合は、以下の点を徹底してください。

設置場所を厳選する

ペットや子供が物理的に届かない場所に設置します。例えば、エアコン室外機の裏の壁との狭い隙間や施錠された物置の棚の奥などです。

しっかり固定する

風で飛ばされたり、ペットが持ち去ったりしないよう両面テープなどで地面や壁にがっちり固定します。

スプレーは風向きに注意

スプレー剤を使う場合は、ペットや子供が庭にいない時に、風上から風下に向かって噴射します。薬剤が室内に入らないよう窓を閉め、使用後は必ず手を洗ってください。

薬剤を使わずに人工芝のゴキブリを安全に駆除・予防する方法は?

薬剤を使わずに人工芝のゴキブリを安全に駆除・予防する方法は?

薬剤(殺虫成分)を使わなくても、今すぐできる安全な対策はたくさんあります。

ゴキブリが住みたくない環境を作ることが、最も安全で確実な対策です。

薬剤不使用の冷却スプレーと熱湯

目の前にゴキブリがいるという時に安全な駆除方法は冷却式スプレーです。

冷却式スプレーは殺虫成分ゼロで、マイナスの冷気でゴキブリを凍らせて仕留めます。これならペットがいても安心して使えます。

薬剤不使用の熱湯

次に有効なのが熱湯です。ゴキブリは60℃以上のお湯をかければ即死します。ただし、人工芝が高温で変形する可能性があるため、バケツで大量にかけるのは推奨できません。ピンポイントで狙う場合にのみ使いましょう。

また、液体洗剤をかけると窒息死させることもできます。

落ち葉・ゴミの除去

ゴキブリを寄せ付けない予防策は清掃です。ゴキブリの餌と隠れ家を徹底的に掃除しましょう。

餌であり隠れ家にもなる落ち葉やゴミは、こまめに掃除機で吸うかホウキで掃き出します。

水洗い

月に一度は人工芝全体を水洗いし、ホコリやジュースのシミなどの目に見えない餌を洗い流しましょう。

鉢植えの管理

鉢植えやプランターは、可能な限り撤去するのがベストです。どうしても置きたい場合は、すのこや台車の上に置き、人工芝との間に空間を作って定期的に下を掃除してください。

隙間の補修

人工芝の端がめくれていたり、つなぎ目に隙間があったりする場合は、専用の接着剤やテープで補修しゴキブリの侵入経路を断ちます。

湿気を断つ水はけ改善と防草シート

ゴキブリの好物である湿気を断つことも重要です。人工芝の排水穴がホコリや泥で詰まっている場合は、デッキブラシなどで清掃してください。

しかし、いくら掃除しても水はけが悪いと感じる場合、その原因はDIYでの施工不良や防草シートの質に問題がある可能性が高いです。

根本原因が解決されない限りゴキブリの発生リスクは常につきまといます。そして、施工の問題は、ご自身で解決するのが困難な部分でもあります。

人工芝のゴキブリ駆除は市販品と専門業者どちらがおすすめ?

人工芝のゴキブリ駆除は市販品と専門業者どちらがおすすめ?

ここまで読んで、薬剤はリスクがあって怖いけど、清掃だけでいなくなるか不安に感じている方もいらっしゃるかもしれません。

その安全性への不安と根本原因の解決を両立できるのが、害虫駆除の専門業者です。

使用する薬剤が違う

プロが使用する薬剤(ベイト剤など)は市販品よりも効果の持続性が長く、長期的な発生抑制が期待できます。

しかし、それ以上に決定的な違いは薬剤の知識です。家族構成(ペットや小さなお子様の有無)を聞いた上で、以下を現場経験から判断し、安全を最優先した施工を行います。

  • どの薬剤なら安全か
  • どこに設置すれば絶対に誤飲が起こらないか

ゴキブリ発生源の特定と根本対策

DIYでの対策は、どうしても目の前のゴキブリを駆除する方法になりがちです。

一方プロは、ゴキブリがどこから来たのか、どこに潜んでいるのかという発生源を特定することから始めます。

人工芝下の湿気状況を確認したり、侵入経路となっている建物の隙間を特定したりとゴキブリの生態に基づいた根本原因にアプローチします。

信頼できる害虫駆除業者の選びのポイント

もし専門業者への相談を検討されるなら、以下の3点を確認してください。

  1. 料金体系が明確で、追加料金の有無を事前に説明してくれる
  2. ペットや子供がいること伝えた際、薬剤のリスクや安全な施工方法について説明してくれる
  3. 人工芝のような特殊な環境での駆除実績があるか
  4. 再発した場合の保証はあるか

私たち害虫駆除レスキューでは、人工芝のゴキブリ駆除に関するご相談を無料で受け付けています。特に、ペットや小さいお子様がいて薬剤の安全性がご不安な方は、専門のスタッフがご自宅の状況に合わせた最適なプランをご提案します。

大阪のゴキブリ駆除なら害虫駆除レスキューセンター

まとめ

人工芝のゴキブリ対策に薬剤は安全なのかを解説しました。

対策として市販の薬剤は有効ですが、ペットや子供への安全性リスクを正しく理解する必要があります。

まずは冷却スプレー、徹底した清掃、鉢植えの管理などの安全な対策を今すぐ実行しましょう。それでもゴキブリが減らない、または根本原因が施工不良にあると疑われる場合は迷わず専門家に相談してください。

薬剤の安全性について少しでも不安が残る場合は、決してご自身だけで判断せず、私たち害虫駆除レスキューを頼ってください。

よくある質問

うっかり殺虫スプレーを人工芝に大量に撒いてしまいました。人工芝は変色しますか?すぐにペットを遊ばせて大丈夫ですか?

まず、絶対にすぐにペットを遊ばせてはいけません。

殺虫スプレーの多くに含まれるピレスロイド系成分が人工芝の表面に残留しており、それをペットが舐めたり、素足で触れたお子様がアレルギーを起こしたりする危険性があります。最低でも数時間は立ち入らせず、薬剤が分解されるまで待つか、メーカーの指示に従ってください。

変色については、多くの人工芝(ポリエチレン等)は化学的に安定していますが、薬剤に含まれる油性溶剤によっては、シミの原因になる可能性がゼロではありません。安全のためにも薬剤の直接散布は推奨されません。

人工芝のゴキブリ対策で市販の薬剤を使う際、ペットや子供への安全性で特に注意すべき点は何ですか?

市販の薬剤は利便性がありますが、ペットや子供へのリスクを伴います。

ベイト剤(毒餌)は、好奇心旺盛なペットや赤ちゃんが誤飲するリスクがあります。誤飲すると脱水症状などを引き起こす恐れがあるため、届かない場所にしっかり固定して設置する必要があります。

殺虫スプレーの有効成分は哺乳類には安全性が高いとされますが、アレルギー体質の人やペットが薬剤の霧を吸入したり、付着した人工芝を舐めたりすることでアレルギー反応を起こす可能性はゼロではありません。

ゴキブリ対策として清掃や薬剤対策で解決しない場合、専門業者に依頼するメリットは何ですか?

専門業者に依頼するメリットは、安全性への配慮と根本原因の特定・解決の両立です。

専門業者は、家族構成を考慮した上で、市販品よりも持続性が高い薬剤を誤飲の心配がない安全な場所に設置するなど現場経験に基づく最適な施工を行います。

ゴキブリがどこから来たのか、どこに潜んでいるのかという発生源を特定し、人工芝の下の湿気状況の確認や侵入経路となっている建物の隙間の特定などゴキブリの生態に基づいた根本的な対策を講じます。